2020.03.01
全社員が魅力あるリクルーターとなる企業へ
キャムコムの中の人たち

綜合キャリアグループの新卒採用責任者を担う田中 郁子。社員数2,000名を超え、年間100名以上の採用を実現してきた彼女は、採用担当としてうまくいかない出来事も経験してきました。そんな彼女の採用にかける想いとは何か。数ではなく個性に目を向け採用を行う、SCGでの彼女の成長の軌跡をたどります。
事業構造の変化にともない、進化が求められる採用手法
田中 「今まで国内の人材派遣や人材紹介が主流だった当社で、HRテックや海外、Webなどの事業が多岐にわたるようになりました。それは採用にとって、嬉しくも大きく変わる機会になりました」
綜合キャリアグループは、全国で月間30,000人以上の雇用支援をしており、メーカーや物流領域の採用支援は国内トップシェアといえます。しかし、働き方改革や生産年齢人口の減少などから、企業のHR領域の課題は増加しているのです。
田中 「共通理念はありますが、提案するサービスや商材、エリアによって求める人物像は変わっていきます。事業構造が変化している今は、採用においても進化が必要でした。そこで始めたのが、キャリアプロポーサル制、通称『事業部別採用』です」
それは一括で、同じ基準で評価する採用手法ではありません。まず、事業部ごとの事業内容・仕事内容をその事業部の社員がプレゼンします。その後、学生はそのプレゼンをもとに、目指すものがマッチすると思う事業部を選択。
そして、人事が面談を通し、個人の強みや特徴の適性を擦り合わせます。人事がすべて行うのではなく、事業部の社員が採用に積極的に関わる採用スタイルです。
田中 「結果的に、それぞれの事業部の求める人材像にマッチした学生が採用できていますね。
人事がすべて採用して、各事業部の社員はお手伝い感覚で採用に関わり、配属されてくるのを待つという体制は、企業成長を阻害すると思っていて。仕事の魅力を言語化して、一緒に働く仲間を自分事として集める。そんな社員の集合体であり続けたいと思ったんです」
新卒採用責任者として、目の前の採用人数ではなく、未来の採用体制を描き、新たな採用手法を展開する田中。しかし、頼れるリーダーになるまでにはいくつもの課題がありました。
圧倒的な行動力で、顕在化したリーダー気質と課題
田中 「大学時代にスペイン語もあいさつ程度しかわからないのに、単身でスペインへ乗り込んだことがあって。めちゃくちゃ苦労しましたね(笑)。
公衆電話の使い方も、住所の調べ方も何もわからず、困惑しちゃって。けど、なんとかジェスチャーで乗り切れたんですよね。その経験から、どんな状況でも『なんとかできる』と思えるようになったんです。ただの準備不足ですけど(笑)」
学生時代から行動力があったため、さまざまな局面でリーダーになる機会が多くありました。しかし、その場でどうにかできる柔軟性がある分だけ、計画性が不足していることに気付きます。
田中 「就職活動も勢いで取り組んだのですが、恥ずかしながら軸がブレにブレて迷走していました。そんなこともあり、いったん就職活動を止めて、海外でのキャリアを模索してみたんです。でも、感性で生きてきたからか、『何がやりたいのか?』を明確化し、言語化することが全然できていませんでしたね」
今まで「なんとかできる」という柔軟な行動力で乗り越えてきた田中にとって、就職活動は大きな壁となりました。そこで、田中は現状を変えるため、さまざまな社会人に会いに行きました。そのとき出会った中のひとりが、綜合キャリアグループの当時の採用責任者でした。
田中 「もともと数年前に会っていたんですが、そのころの熱量がとても印象的だったんですよ。なので、なんとなく話したら見つかるものがあるんじゃないかって思っていましたね。
それで、会ったときに私が『将来なりたい姿とか考えるのは無意味なんじゃないかと思ってます。だって、将来なりたい姿なんて追う途中で変わるかもしれないじゃないですか』って伝えたんです。
そしたら、『将来なりたい姿は確かに変わるかもしれないね。けどそれを追う過程に成長や充実があるよ』って話をされて……。その言葉が心に刺さりましたね」
そうして、田中は綜合キャリアグループに入社することに。10年後の将来像は描いても変わってしまうものかもしれません。しかし、描き目指すことに意味があるという考えは、今でも田中が大切にしている考え方です。
リーダーとしての役割期待
田中は入社後、営業職を経て、人事部へ配属されました。そこで、入社のきっかけになった採用責任者の下で仕事をすることになります。しかし、1年目は学生との関わり方がうまくいかないことが多くありました。
田中 「最初は、学生に寄り添って話を聞くだけで、方向性を示すことができなかったんですよね……。『田中さんはいい人だけど、目指したい人ではない』と言われてしまったり、半ば強引に当社とのマッチングを示したことで信頼関係が崩れ、辞退してしまったり。なかなか思うような成果が出せませんでした」
採用目標数値の達成を追うことは、採用担当者の責務です。しかし、それだけでは本質的に良い採用ができないことに田中は気付きました。そこから、誰よりも学生の心境に配慮しつつ、SCGだから実現できる未来を明確に伝えながら、最後は学生自身が意思決定できるように徹底的にサポートするようになったのです。そしてその実績から、5年目という早さで採用責任者へ着任します。
田中 「なりたかった採用責任者になれたことがすごく嬉しくて。絶対、当社の採用を成功させるぞ!!と意気込んでいたんですよね。しかし、実際は力不足を痛感することになりました」
採用責任者になったことで、誰よりも成果を出すことに田中はこだわっていました。しかし、リーダーとしての役割期待に応えられなかったと言います。
田中 「自分の成果しか見ていなかったことから、後輩に対して丁寧に教えることができませんでした。計画的に仕事を依頼することや管理することがまったくできておらず、メンバーのモチベーションを高められなくて……。
ついには、『田中さんにはついていけない』って言わせてしまったんですよ。さすがにショックでしたね(笑)」
その当時は自分の力でここまできた、という感覚が強かったという田中。チーム状況が悪くなる事態に直面し、採用責任者としての役割期待を理解することになりました。
田中 「今は“挑戦”が人の成長になり、自信につながると考えているんですよね。なので、メンバーの一人ひとりが“やりたい”をつくれるように、あえて役割を任せていて。
それで、進捗状況に合わせて、次のアクションが取りやすいように具体的な指示を出し、方向性のすり合わせをしていきます。メンバーが動きやすい状態をつくるための指針は、より具体的に提示するよう気を付けていますね」
全社員が魅力あるリクルーターとなる企業へ
採用責任者として4年目を迎える田中が描く将来像は、全社員が採用できる企業の実現です。
田中 「もちろん、採用目標の達成は目指します。ただ、それだけでなく、その活動を通して、エンゲージメントが高く、社員誰もがグループ全体のことを魅力的に語れる会社をつくっていきたいんですよね。今はまだまだ知名度が低いですが、採用でも人気の企業にしたいです」
綜合キャリアグループは進化し続けており、その進化や変化をつくる人材の採用が求められています。それが人事や採用担当者という枠組みを超えて、全社員で取り組むべき課題であると田中は考えているのです。
田中 「綜合キャリアグループは、社員一人ひとりが自己実現の方法や考え方を身に付けていく、プラットフォームのような会社であると思っていて。
なぜなら、私自身がそうだったように、やりたいことが明確でなくても見つけて挑戦できる環境があるんですよ。だから、挑戦したいより多くの未来の仲間たちにそういった環境を味わってもらいたいですね」
「自社の魅力を肌で感じているからこそ、自信を持って会社のことを語れる」田中はそう思えているからこそ、目の前の学生にとって自社で一緒に仕事をすることが本当にいいことだと伝えられるのだと言います。
目の前の学生と向き合う田中のスタイルは、入社した人材以外との関係性にも影響を与えています。
田中 「入社した人材だけでなく、選考で関わった学生たちとも定期的に連絡を取っていて。いつか、一緒に仕事をしたいねと話している人もいますね。
採用時期に本気で向き合ってつくり上げた関係が、社会人になってもつながっているのはすごくありがたいことです。なので、採用は人数を採るというよりも、仲間増やしやファンづくりのようなイメージだと思っていますね」
田中がこれから目指すものは、広告やCMで短期的につくっていくブランディングでなく、社員一人ひとりの魅力でつくり上げていく綜合キャリアグループのブランディングです。
その目標は、ゆっくりと、しかし着実に実現に向けて動き始めています。
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この記事を書いた人
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