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2020.01.14

人材も企業間でシェアする時代。エリア内の雇用を促進する「HUBセンター」とは?

人材も企業間でシェアする時代。エリア内の雇用を促進する「HUBセンター」とは?

カーシェアやライドシェア、民泊、レンタルスペースなど、さまざまなシェアリングサービスが注目を集めています。HR領域において、クラウドやデータ活用により「人材をシェア」するしくみを生み出しているのが綜合キャリアグループのBPO事業です。難しいとされていたしくみを実現できた理由を釜本太郎がご紹介します。

エリア内の複数企業で人材をシェアする

HR領域においてあらゆるサービスを提供する綜合キャリアグループ。BPO事業部では、企業からのアウトソーシングを受け、現場ごとに人員を配置し業務を行っている。エリア内で複数企業から仕事を受け、近隣の別の職場でも働ける「プラットフォーム」をつくることで、人材のシェアを可能にした。

釜本 「これまで A社では、業務の繁忙に合わせて人を採用していました。年に数回来る繁忙の都度、数十名から100名ほどを期間限定で採用するんです。でもそれだと企業側の体力が持たなかったり人が集まらなかったりと、多くの問題がありました。
そこで当社が始めたのは、繁忙に合わせて人員数を採用しておいて、逆に閑散期には別の企業で就業してもらうという方法です。それでまた、閑散期が過ぎたら戻ってきてもらう。人材をシェアするという考え方です」

企業様の困りごとを解決するのが私たちの仕事だと語る釜本。今回、一企業では解決策が見当たらなかったものの、同じエリアで複数企業に参加してもらいプラットフォームをつくることで、解決することができた。

人材のシェアは企業側だけでなく、働く人にとってのメリットも大きい。

釜本 「今は共働き家庭が増え、副業、複業、パラレルワークと言われる働き方も増えています。決まったエリアで一定の給与がもらえて、勤務時間の都合が合うことを優先する人たちも多くいまして。そういった人たちと、企業のニーズをマッチングして、エリア内の雇用を促進しています。
働き手の年齢層は本当に幅広くて、20~60代までさまざまです。時間の都合などもあって、このエリアで働きたいという方が多いですね。以前は、繁忙期が終われば雇用関係は終了して、また仕事を探さなければならなかったので、年間を通して同エリアで働けることがありがたいという声をいただいています」

働き手の継続的な雇用を確保し、企業の業務ごとの繁忙をプラットフォームで吸収する、そんなWin-Winの環境を構築しているのだ。

「HUBセンター」でのビッグデータ活用と即戦力を育てる研修制度


これまでありそうでなかったサービスを実現できた理由は、大きくふたつある。ひとつは、綜合キャリアグループ内にある「HUBセンター」の存在だ。HUBセンターでは、採用に関してのデータ、業務に関するデータ、人材育成に関するデータが蓄積され、ビッグデータとして活用されている。

具体的には、企業の繁忙状況に対して必要人員をマッチングし、不足があれば応援メンバーの依頼や研修スケジュールを即時に各現場のプロジェクトマネージャーへ共有。HUBセンターからの指令により、エリア内の複数企業での人員コントロールが可能となっている。

釜本「人によって働ける日や時間が異なる中で、業務の納品までのスケジュールを立ててコントロールするのはひとつの企業だけでも大変です。それがエリア内で複数あって、シフトや業務時間を間違いなく組み合わせるには……センター集約が不可欠でした。当社が創業から HRテック分野で開発を続けてきたからこそできたしくみですね」

サービスを成功させた要因のふたつ目は、即戦力を育てるための研修制度である。

釜本「就業先としては、事務、コールセンター、軽作業、営業、ITなど多岐にわたります。ひと言で『事務』といっても、就業先が変われば内容はガラッと変わります。別の企業で働くことのハードルが高くならないよう、企業ごとに実務に即した研修を充実させて、事前に受けてもらっています」

人を育てるしくみがあることで、企業側からも依頼がしやすくなり、プラットフォームの規模拡大につながっている。働く人にとっても、事前研修があることで複数企業での就業が安心してできることはもちろん、個々の職域や経験を増やし、スキルアップもできることがメリットだ。

釜本「複数企業で働くときは、異職種へのスライドも歓迎しています。たとえば事務経験を生かして次はコールセンターもやってみようかなとか、 ITの分野でスキルアップしたいという方は、職域や経験を増やすこともできます。異職種で転職しようと思ったら経験が必要になるケースが多いですが、当社であればどんどんチャレンジできるのです」

お台場で500名規模の人材シェア事例。全国十数カ所で展開


2019年現在BPO事業は東京、埼玉、神奈川を中心に、北海道まで全国十数カ所でサービスを展開している。受託している業務内容は、官公庁関連の事務作業、大手メディアコンテンツ企業のスマートフォンのバグを見つけるテスト業務、金融関連企業のデータ入力など多岐にわたる。

釜本「一番規模が大きいのはやはり東京ですね。お台場エリアでは官公庁系の案件で書類のチェックやデータ入力をする業務を行っていますが、繁忙期には 500名規模の人が必要になります。
繁忙に合わせて応援人員を追加していた時期は、企業側の一時的なコスト負荷が大きく、その都度教育も必要で柔軟に対応できませんでしたが、経験者を増やしてからは、採用コスト減と急な応援にも対応できるようになり助かる、という声をいただいています」

規模を大きくすることでより利便性が増すため、周辺エリアの案件獲得にも力を入れているのだという。また同案件は全国各地で展開しており、名古屋や関西でもプラットフォームができつつある。

釜本「他社がなかなか真似できない理由のひとつとして、自社で就業場所を持っているということが挙げられます。新宿には現在第一センター、第二センターがあり、官公庁関連の事務作業や郵便関連のデータ入力、電話受付業務などを行っています。
ありがたいことに両センターともほぼ埋まっていて、今年度中に第三センターの設立も考えています。
受注が取れる前から自社で物件を借りるのは、コスト面でリスクではないかと思うかもしれませんが、企業様からしたら、箱あります、人います、ノウハウあります、となると格段に業務を任せやすいんです。それに営業メンバーがどんどん受注を取ってくるので、逆に『まだ第二センター入れられる?大丈夫?』という心配の方が多いですね(笑)」

受託センターの設置により、受託件数と規模が大幅に拡大した。さらにHUBセンターの実現により、受託から運用までのリードタイムが圧縮され、2018年度は前年を大きく上回り、売上高は150%、営業利益は280%まで成長した。

「なんでもできる」を強みに、新たなスタンダードを全国へ


HUBセンターでエリア内の人材シェアを可能にしているBPO事業だが、その他にもフィールドアウトソーシングと呼ばれる営業代行サービスや、不動産との連携で実現するオフサイトサービスなど、異色のサービスを生み出し続けている。業種や業務内容に関わらず「なんでもできる」ことが強みだ。

釜本「企業様には、人と仕事に関することは『手ぶらで私たちに任せてください!』と言いたいです。『箱も人も当社でそろっているので、もうその日から業務ができますよ!』と。働く場がないことにはマッチングできないので、サービスの利便性を高めることで企業様からどんどん業務を任せていただいて、エリアを拡大していきたいですね」

そのために不可欠なのは、パートナー協業とメンバー拡充だ。

釜本「業種問わず任せていただくためには、専門知識を持った外部パートナーの協業が必要です。今もたくさんの協力者を得てプラットフォームを構築していますが、まだまだ増やしていきたい。あとはそれを社内側でグリップするコンサルタント営業や PMと呼ばれるプロジェクトマネージャーの存在も大きいです」

HUBセンターからの指令を受けて、企業ごとの現場をコントロールするのがPMの役目だ。企業から受けた業務の進捗管理、レポーティング、チームリーダーへの指示出し、スタッフの採用入社など、人事総務まで対応する。こうした業務においてもクラウドを使った情報共有や、人材マネジメントや勤怠管理のIT化により、スタッフとのコミュニケーション、マネジメントに専念できる環境をつくっている。

釜本「昨年度は営業利益を大きく伸ばしましたが、まだまだ増やしていきたいと思っています。そのためには、何億という案件を獲得できる営業と、獲得した後に、業務を納品できるチーム体制をつくる人も重要です。
人材のシェアや、恒常的に仕事を提供できる環境づくりは、人の多い都市部だけでなく、地方にもそういったサービス必要だと思うので、仲間を増やしながら実現していきたい、と考えています」

「人材をシェア」するという新たな雇用のスタンダードを生み出した釜本。その挑戦は、まだ始まったばかりである。今後は、このサービスを全国に広げていき、利用者のさらなる増加と利便性の向上を図っていく。

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