2019.12.05
HRテック企業はここから始まった。Web勤怠管理システム「T-REX」開発秘話
キャムコムの中の人たち

2019年現在、年商1000億を超える綜合キャリアグループは、創業当時より製造マーケットに強い人材サービス企業として、製造マーケットの“働く”をHRテックで支えてきました。これまでHRテック企業として歩んできた道のりを、システム開発リーダーの青木勝吾の歩みからご紹介します。
欲しいシステムは自分たちでつくる
前職はメーカーで電子回路の設計を行っていた青木。決められたものをいかにコスト内でつくるかに重きが置かれていた職場だった。
青木「自分の担当はこの部分と決まっていて、それをいかに完成させるかという日々でした。自分の仕事をやれば、極端な話一日誰とも話さなくても済んでしまうこともありました」
一般的に思い浮かべる「システム系の職場」を再現したかのような環境の中、青木は「システムの仕事とはそういうものだ」と特に不満を感じることもなく毎日を過ごしていた。
転機が訪れたのは2004年。昔からお世話になっている先輩と飲みに行った席で、先輩の転職先である綜合キャリアグループの話を聞いた。あらかじめ決められた大きなシステムの中のごく一部を担当するのではなく、必要なシステムを自分たちでイチからつくる。
さらにシステムのみならず会社づくりに携われる環境に、この会社で挑戦したいと思ったと言う。これが青木の入社のきっかけだった。
青木 「当時の綜合キャリアグループは、パソコンは何人かに 1台という環境でしたし、企業と求職者のマッチングについても、履歴書マッチングといわれる紙ベースで人の手を介して行っていました。
そんなまだまだアナログの会社だったので、入社してしばらくは各営業所にサーバーを設置するために、ひたすら届いたサーバーを開梱して設定する日々でした。それが終わると、登録スタッフの情報や雇用契約書の管理をする基幹システムの開発に着手しました。本当に何もない状況から、どういうシステム環境が必要なのかを考えて構築していきました」
「決まったものを決められたやり方でつくる」という前職とはまったく異なる、「新しいシステムを自分たちで考えながらつくる」という環境で、青木はいずれは自分たちがつくったシステムが世の中に広く知られている状態をつくりたいという思いを抱くようになっていった。
綜合キャリアグループのHRテックを支える部署「SIPS」
製造マーケットに対してデジタル化を推進し、HRテック企業の第一歩を踏み出した綜合キャリアグループは、その後さまざまなシステムを開発することになる。
グループのHRテックを支えるのは、青木の在籍する「SIPS」と呼ばれる部署である。
「SIPS―Strategy Information Platform Section(戦略情報基盤)―」は、単にシステムをつくる部署ではない。
青木 「当社では、社内にエンジニアが 100名 ほど在籍しています。いわゆる『システム部』としていないのは、グループの方向性をふまえて、メンバーが主体的に開発に携わるためです。ただ言われたものをつくるのではなくて、世の中の背景や法律の流れを熟知した社内の人間だからこそできる仕組みやスピード感があると考えています」
SIPSがこれまで手掛けたシステムは、経費精算システムや業務工数管理システム、取引企業やスタッフマイページ機能、求人求職サイトといった社内システムはもちろん、社外に販売しているシステムも多くある。
代表的なものとしては、営業支援システム「C-en」、人材管理システム「O2」、雇用管理システム「CROSSNAVI」、ストレスチェックサービス、マイナンバー収集サービスなどだ。
青木 「ストレスチェックやマイナンバー収集は法律で義務化されましたが、当初対応に困っている企業様も多くいらっしゃいました。当社が開発したシステムを取引企業様に使ってもらって、綜合キャリアグループはなんでも対応してくれて便利だなぁと思ってもらえるようにかゆいところに手が届くシステムにすることを心がけています」
法改正や時流によって柔軟にシステムをつくり、自社内だけでなく企業の利便性を高めることが、綜合キャリアグループの掲げる理念のひとつである“独立収益性”を実現している。
イチゼロでは表せない「人」の動き。柔軟なシステム開発を続けていく
青木 「今またT-REXの導入に力を入れていて、他の人材会社でもT-REXを使ってもらって利用者の利便性を高める動きを強化しています。そのために、中の仕組みを再構築してより今後の機能追加がしやすいように改修をすすめています。さらには勤怠情報をリアルタイムで連携して、さっき働いた分がコンビニで受け取れたり、給与の前払いを受け取りやすくなったりします」
働く側のメリットだけでなく、企業側のメリットも大きい。
青木 「昨今の働き方改革の流れで残業規制なども厳しくなりました。これからは派遣先でもより一層シビアに勤怠管理をしていかないと生産計画に影響してしまいます。そんな状況もあって、一元管理できるシステムとしてT-REXの需要が高まっています」
綜合キャリアグループの製造系取引企業におけるT-REX利用率は50%を超え、勤怠管理をT-REXに一本化する企業も増えている。導入増加の背景には、改修により使いやすいシステムに仕上がっていることもひとつあるが、そこには青木のこんな信念がある。
青木 「システムはイチかゼロかの世界ですが、人の動きや考えはイチゼロでは表せません。使う人のことをしっかり考えて、使いやすいシステムにすることを意識しています。私たちがつくるのは『人』にかかわるシステムなのでなおさら、使い勝手のよさや人の動き、人の想いに応えられているかを常に考えています。
近い未来、T-REXをはじめとする当社が開発したシステムが、生活インフラのような、誰もが当たり前に知っているシステムになっていけばいいですね」
今後はAIなどの技術も積極的に取り入れて、新しいシステムを生み出していきたいと言う青木。人と人とをつなぐ人材総合サービス企業だからこそできる「HRテック」を開発するべく、これからも挑戦を続けていく。
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