2019.09.12
『HRTech』ビジネスをデザインする──人材派遣からスピンオフしたBPO事業の「今」
キャムコムの中の人たち

総合人材サービスを提供する綜合キャリアグループ。その中で、億単位の受注を次々と獲得している事業があります。それが、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業です。採用支援事業からスピンオフしたBPO事業の「今」とビジネスをデザインするコンサルタントの仕事を、事業責任者の神保光路郎が語ります。
BPO事業──すべてはお客様の課題解決のために
▲「お客様の課題解決のためには、なんでもやります」そう言い切るBPO事業責任者の神保
神保 「当社は人材会社ですけど、ときには人だけに限らず、いろんなものを提供することもあります。最近では、パソコン 3万台を売ったりもしました。お客様の課題解決のためだったらなんでもやります。メンバーにも犯罪以外ならなんでもやれって言ってます(笑)」
総合人材サービスを提供する綜合キャリアグループ。その中で、いわゆるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を行うチームである委託事業推進部の神保は、そうさらっと言い放った。
神保 「綜合キャリアグループでは、人にまつわる課題をグループ各社のサービスを掛け合わせて解決していきます。しかし、利便のよい形というのはお客様によって本当にさまざまです。こういう人を採用したいから紹介してくれというケースもあったり、派遣で一定期間だけ業務をしてくれる人が欲しいという場合もあったり……。
私たちが行っている BPOという事業は、元々は採用支援事業からスピンオフしたサービスです。しかし、ひとり採用していくら儲かる、という従来通りの契約ではなく、業務単位で仕事を切り出して受託する形態にしたところに当社の革新性があります。業務そのものを外注するといったらわかりやすいですかね」
始めこそ、受託する業務はデータ入力や封入作業などの簡易業務といわれるものが多かったが、今はコールセンター、システム、営業……なんでも受けられるものとなった。1件の受注が億を超える案件も少なくないと言う。
正解のない答えを探す。コンサルタントの役割
▲打ち合わせを行うメンバー。戦略を練る表情は真剣そのもの
なんでもやると言う神保だが、実行するのはそう簡単なことではない。さまざまなお客様がいるため、その悩みも三者三様。お客様に納得いただける正解を導き出すためには、親身な対応が何より必要だと言う。
神保 「中には、困りごとはあるけれど、どこから手をつけていいかわからない、どう改善したらいいのか見当がつかないというお客様もたくさんいらっしゃいます。そこに私たちが何度もお伺いしてヒアリングをすることで、その場合はこうされてはいかがですかと提案して解決策をまとめていきます」
お客様の相談にイチから一緒になって考える──これが、人材会社のいち営業担当の域を超えた、企業の経営をも左右する綜合キャリアグループのコンサルタントの仕事である。
神保 「直近の案件では、スマホの音声認識アプリの動作チェックを受託しました。年間 2億円の案件です。受託の条件には、初動から 40名の派遣社員をアサインできることという条件がありました。人材派遣事業部のメンバーにも総出でマッチングしていただいて、スタートまでの約 1カ月を残しクリアすることができました」
綜合キャリアグループ各社のサービスはもちろん、外部とアライアンスを組んで提案することも少なくない。
神保 「正直、初めて受ける業務なんかは、専門用語が宇宙語のように聞こえることもありますよ。 3PL?ノンアセット型?受託者賠償責任保険?何それ美味しいの状態になっているメンバーもいます(笑)。でも当社ではそんなときに、外部の知見を取り入れることを積極的に行っています。プロの方に来ていただいて打ち合わせに同席してもらえばいいと思っているので、そこで行き詰まることはありません」
実際にプロに打ち合わせに同席していただいて取れた受注も多いのだと言う。
神保 「コールセンター提案の際も、コールセンター運営会社の社長に同席してもらって、中身の運営や情報セキュリティ、体制の話をしていただいて受注が取れました。当社は人材会社なので人を集めたり受付するノウハウはありますが、中身の部分は案件ごと違ってくるので運営が難しい。当社の人を集める強みと、中身のことをよく知っている外部のプロとでタッグを組むことで、お客様に利便を提供できるんです」
同席するメンバーが場数を重ねるうちにいろんな知識を学び、やがてそれが武器となっていくのも醍醐味のひとつだ。
神保 「ひとつの案件を一通りやってみると、専門用語もだいたいわかるようになって、その分野の人と話ができるようになります。次に似たような案件が出てきたときには、相手に『コイツは知ってるな』と思ってもらえるとまた次の受注につながります。
あとは、外部から最新の知見が得られるので、グループ内の各部門で取り入れられそうなものがあれば連携しています。既存の手法で問題なく回っているように見えても、何年も同じ方法でやっていたらあっという間に取り残されてしまいますから」
同じ案件はふたつとないので常に刺激的だと神保は言う。さらに、正解はひとつではない。お客様に合わせて、その都度さまざまなサービスや手法を組み合わせて提案する必要がある。まさにコンサルタントは「ビジネスをデザインする」役割を担う職業である。
圧倒的な強み──それは、群を抜く決定スピードの速さと自由度
▲BPOセンター設立の様子。何もない場所から数週間というスピードで立ち上げる
人材派遣や紹介サービスという他者との競合も少なくない業界の中で、綜合キャリアグループの圧倒的な強みは、その決定スピードの速さと柔軟性にあると言う。
神保 「まず、当社は BPOセンターといって、案件の履行場所を持っていることが強いです。通常は履行場所を探し、先方に契約してもらうところがスタートですからね。物件選定して、契約条件の確認をして、社内で承認もらって、それから重要事項説明や契約書を取り交わす一般的流れだと、早くても場所を借りるまでに 1カ月はかかります。その間に当社なら案件がスタートできてしまいます」
BPOセンターがあることで、大小さまざまな案件の受託も可能となる。
神保 「数名単位で行う小規模な案件でも、じゃあここの区画を区切ってやりましょうかという提案もできます。案件の入れ替わりや規模の拡大、縮小についても臨機応変に対応できることも BPOセンターの強みですね」
組織体系に柔軟性を持たせていることもお客様の利便向上に役立っているという。
神保 「フラットな組織体系なので、社長や事業統括にプレゼンして GOをもらえたらすぐに動くことができる。メンバー自身が判断して行動できる裁量権も大きいと思います。億単位の金額が動く案件で、ここまでみんながフットワークが軽い会社はそうそうないと思います」
他社が商品の価値を感じやすい“パッケージ化”を強みとし進めている中、綜合キャリアグループは反対に自由度の高さを売りのひとつにしている。こうすることで、RPAやAIといった時代に合わせたツールも即時に取り入れることが可能となる。
神保 「 RPAや AIは委託現場と切っても切り離せないので、引き合いは多いですね。生産性を上げるものとして活用しています。お客様によって特性がそれぞれなので、それに必要な仕組みやシステムは、その都度状況に合わせて取り入れるようにしています」
このクライアントファーストとスピード重視は、受注へとつながっている。さらに、BPO事業におけるテクノロジーへの姿勢についてはこう語っている神保。
神保 「次々と新しいテクノロジーが開発されていますが、どんな新しいテクノロジーを導入するかということはあまり重要視していません。それよりも、 AIやデジタルを活用することで、『どうしたらお客様の生産性が上がり、課題解決につながるのか』というビジネススキームを構築することを大事にしています」
テクノロジーを駆使しながら、人間にしかできない仕事をする。これは、綜合キャリアグループ全体の会社のビジョンのひとつともなっている。これが、億単位の案件を受注できる真の理由ではないだろうか。
強みを生かし、海外へと舵を切る
▲ビジネスをデザインすることの重要性を説く神保
今後は日本国内のみならず、海外へも視野を広げていく。
神保 「直近でいうと、海外人材の活用に取り組んでいます。現地や日本で研修を受けた海外の人材を日本の企業で受け入れる技能実習制度というものがあります。これは日本の技術や知識を習得して、母国に帰った後に役立ててもらうことが前提の取り組みです。
それはそれでいいと思うのですが、日本で育成した優秀な人材であれば、母国のベトナムやフィリピンに現地法人をつくって当社が雇用し、そこで業務を受託できないかと考えています。現在、実際に現地法人のオフィスを開設するところまで進んでいます」
人手不足が叫ばれる日本で競い合うのではなく、綜合キャリアグループはそのフットワークの軽さを強みに、世界に目を向け海外へと舵を切っている。
BPO事業の存在意義は、お金を稼いでくることだと言い切る神保。
神保 「もともと人材派遣を柱として事業展開していた当社が、リーマンショックや労働者派遣法改正などの危機的状況を乗り越えてこられたのは、新たな事業展開があったからなんです。 BPO事業もそのひとつです。
現在は新たな事業がいくつもできてそれぞれが収益化できているので、いつまた危機的状況がやってきたとしても、綜合キャリアグループは生き抜いていけるだけの力があります。 BPO事業はその中でも稼ぎ頭として先頭を走っていければ」
BPO事業は、今後ますます事業領域が広がっていくことが予想されるが、どんな状況においてもビジネスをデザインできる力。それこそが利益を獲得できる力であると信じ、これからも未知なる道を切り開いていく。
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