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2019.09.05

「海外人材の帰国でキャリアを終わらせない」目指すのは循環型の海外人材の活用

「海外人材の帰国でキャリアを終わらせない」目指すのは循環型の海外人材の活用

働く人を適材適所で生かし、能力を引き出す雇用をサポートする綜合キャリアグループ。人と雇用に関わる信頼をサービスの要としてきた同社が新たに注目したのは、ベトナムをはじめとする海外の人材でした。自社が持つ採用支援のノウハウを生かし、海外人材の長期的なキャリアを見据えた関係づくりが始まっています。

信頼できる外国籍の人材を求めて

 

▲グローバル事業部責任者を務める三石。前部署ではコンタクトセンター立ち上げを経験した

綜合キャリアは“日本一利便の良い人材会社”として、企業の生産活動を向上させ、発展を実現するために不可欠な人材の採用とキャリアアップの支援に取り組んできました。

創業以来、個々の能力を活かすHRビジネスにフォーカスし、多様化する働き方とともに成長。アドテクの活用など、早い時期から人と企業を結ぶ技術を取り入れ、日本国内における取引社数は業界のトップクラスを誇ります。

一方で経営本部は、採用支援における着実な成長に甘んじることなく、事業を拡大。企業と求職者をつなぐ新しいサービスを展開するなかで、2019年にはグローバル事業部を設立しました。背景には、売り手市場が続く採用業界において、海外の人材に対するニーズの高まりがありました。

グローバル事業部を統括する三石晃史は、クライアントからの要望をふり返ります。

三石 「もともと私たちは、日本人を採用するスペシャリストでした。けれど売り手市場が続き、人手不足に悩む企業側からも、事業拡大するなら海外の人材の採用は不可欠だとの声が上がり始めたんです。ただ技能実習生を受け入れるにしても、日本の企業がベトナム人をはじめとした外国人を貴重な戦力とするためには、業務面での指導以外に、生活面の様々なフォローが必要です。

そこで私たちが監理団体と連携し、実習生の日本での生活をサポートしていく形で関わることで、海外の人材も安定して戦力化できる仕組みをつくろうと考えたんです。タイやフィリピンといったアジア各国の人材に需要がありますが、私たちはすでに技能実習生の約半数を占める、ベトナムから関係づくりを始めています」

綜合キャリアとしては初めての試みであったものの、部署を統括する三石は前職で、グローバルな人材をマネジメントした経験がありました。

海外に立ち上げた事務所を管理し、言葉や文化の違いを持つ現地スタッフとの仕事を「おもしろいと感じていた」と話す三石。グローバル事業部への抜てきは自然な流れでした。

技能実習生の幸せは、企業の幸せでもある

▲ベトナム人スタッフとのコミュニケーションはできる限り日本語で行っている

日本企業の求めに応じるべく、技能実習生の紹介をメインとしたサービスの構想を練り始めたグローバル事業部。日本で長く勤めるためのサポートをする一方で、実習生が帰国した後も活躍できる場を提供したいという想いも芽生えていました。

三石 「日本の企業から高評価を得ており、実習生自身もできるだけ長く日本で働きたいという想いを持っていても、実習期間の満了で帰国し、日本語能力を生かすことができずに、ベトナムでキャリアをリスタートしなければならない方がほとんどです。

それなら帰国することですべてが終わりではなく、日本での数年間の経験が、帰国後もキャリアとして生かせる場がつくれないかと考えました。彼らは日本に滞在していたことで、日本企業やその企業で働く人ともつながっています」

そこで考えたのが、人件費を抑えられる海外にバックオフィス業務を担えるオフショア拠点をつくり、日本での就労経験があるスタッフを採用する、ということでした。

三石 「私たちにとっても、働く人材にとっても価値のあるサービスが生まれ、ベトナムの実習生が日本で積み上げたキャリアが、循環して母国の発展のために役立てられるわけです。日本での仕事だけでなく、帰国後のルートが確立されていれば、実習生からも送り出し機関からも信頼を得られやすいだろうとも考えました。

送り出し機関にとっては、優秀な人材を集めるための強みにもなります。それが巡って日本の企業にいい人材を紹介することができれば、三方よしのビジネスモデルになると考えました」

しかし構想が進む一方で、日本の社会は技能実習生の受け入れ体制をうまくつくれずにいました。

日本でさまざまな国の人が働く未来を描いていた三石が目にしたのは、一部の悪質な送り出し機関によって、来日前に多額の借金を背負わされた実習生たちのニュース。多額の借金を背負いながら慣れない環境で働き続けても目標としていた貯金額を実現できず……やむなく失踪し、難民申請となるケースもありました。

悪い面ばかりが取り上げられた報道によって、日本企業には「技能実習生を受け入れるのはリスクがある」との意識がまん延。実際には多くの優良な機関が、良質な教育や支援をしていることを知っていた三石は、悔しい気持ちでいました。

技能実習生を紹介するサービスが、自分たちの考えるような循環型のビジネスを構築できていれば、こんな不幸は生まれないはずだ──。紹介料や管理費のみで成り立つビジネスに疑問を感じていた三石は、社内のWeb制作部に協力を仰ぎ、ベトナムにある優良な送り出し機関の情報発信をスタートしました。

ベトナム人スタッフの熱意が、送り出し機関からの信頼につながった

▲1カ月の半分は、現地へ足を運び、取材を行っている

送り出し機関の情報を発信するにあたり、三石たちグローバル事業部は、3人のベトナム人メンバーを採用。ベトナムの人材を採用し、ともに働くことで、お客様に対して本気度を示したいという想いがありました。

三石 「立ち上げが決まってから採用したのは、日本の専門学校や大学を卒業したばかりの 20代半ばのスタッフです。まずは彼らに、ベトナムの送り出し期間の取材を任せてみようと動き始めました」

すでに実績のある日本での取材とは異なり、取材を受ける送り出し機関も、取材するメンバーも初めての経験。さすがの三石も不安になりながら、それでも事前のアポイントの取り付けも、取材当日の事業説明もベトナム人メンバーに任せました。

無事にアポイントメントを取り付けたメンバーは三石とともにベトナムへ渡り、約1週間かけて30社近い送り出し機関を取材する、ハードな仕事に取り掛かりました。

三石 「彼らは社会人経験もほとんどなかったので、とても緊張した様子で取材に向かいました。しかも取材相手は、送り出し機関を運営する経営層。最初は私も少し心配をしていました」

しかし、その心配は杞憂に終わります。

三石 「取材はベトナム語で行われたので私には理解できなかったのですが、メンバーが一生懸命話す内容に耳を傾けていた相手の表情が、みるみるうちに変わっていったんです。最後は前のめりになるほど、話に聞き入っていました。

結果的に私は横にいただけでしたが、それが 2社、 3社と続くうちに、彼らに任せてよかったと感じました。送り出し機関には日本語が話せる方がいらっしゃる場合も少なくないので、私が日本語で話してもわかっていただけたとは思います。

それでもベトナム人メンバーの熱量を超えるものはない、と感じましたね。彼らが物怖じせずサービスのよさや私たちの想いを伝え、相手の共感を引き出すことができたからこそ、何十社もの取材をやり遂げられたのだと思います」

理想は人材とキャリアのグローバルな循環

▲ベトナム人スタッフとともに新たな事業モデルをつくり上げていく

2019年7月現在、グローバル事業部のベトナム人メンバーは5名になりました。300以上ある送り出し機関から優良な機関をピックアップして情報を発信していくため、彼らは月に1度のペースで三石とともに現地に足を運び、取材を進めています。

いずれこの情報サイトを、ベトナムの送り出し機関と日本企業のマッチングの場にしていきたいと考えている三石。日本企業が求める人物像に、よりマッチする人材を紹介するための情報提供のあり方を模索しています。

一方、技能実習生の帰国後を見据えたオフショア拠点については、2019年秋に現地法人を立ち上げ、日本国内で行っている業務を順次移行する準備を進めています。

また、グローバル事業部以外にも新たに2名のベトナム人メンバーを採用。彼らは将来的に現地での人材育成を担当するため、長野県にある綜合キャリアの事務管理センターで実務を習得中です。

三石 「早急にベトナムに事務管理センターを設立し、日本企業から仕事を受注できるようにしたいと考えています。その際、帰国した技能実習生がスタッフとして人材や生産管理を担当すれば、日本で身につけた能力を生かしてベトナム国内の生産性を上げていくことができるでしょう。

今後、さまざまな日本企業がオフショア拠点を設立すれば、技能実習生の選択肢も増えるはずです。綜合キャリアのオフショア拠点としては、自社のバックオフィス業務だけでなく、サイト制作などクリエイティブな業務も拡大し、お客様からお預かりした業務も担っていきたいと考えています」

変わりゆく時代と雇用形態のなかで、企業と仕事を求める人に公平な立場で関わってきた綜合キャリア。次なるステージでは、日本だけでなく世界を支える海外人材との協働が未来をひらきます。

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