採用コラム
2017.01.18
業界研究で隣接業界の研究が重要な理由
就活バイブル

こんにちは。SPARK新卒採用チームです。皆さん、就活は順調に進んでいますか?
さて、今日は就活で重要な業界研究のやり方について、アドバイスをしたいと思います。
「業界研究が大切だってことはわかるけど、今ひとつ効率的な進め方がわからない」という人には非常に役立つと思いますので、ぜひ参考にしてください。
そのヒントとは…
ズバリ!「隣接業界も併せて研究する」という手法です。
では、なぜ業界研究で隣接業界まで研究したほうがいいのか、そのメリットについて説明していきたいと思います。
今回はちょっと専門的な内容ですから話が固くなりますが、業界・業種を問わず、誰の就活にも役立つ情報だと思いますので、しっかり読んでくださいね!!
理由その1 隣接業界との「関係」で業界を可視化する
「隣接業界」という言葉に明確な定義はないのですが、ここでは「自分の目指す業界と業態は少し異なるが、場合によって競合になったり協力したり、あるいは関係の深さからその業界に大きな変化が起きると自分の目指す業界が影響を大きく受けやすい業界」ということで話を進めていきます。
では、なぜ業界研究を進める際に隣接業界も併せて研究しておいたほうがいいのでしょうか?
理由はいろいろありますが、1つ目の理由は、「隣接業界について調べておくと、自分の目指す業界がよくわかるようになる」からです。
例えば、ドラッグストア業界を例に取って説明しましょう。
ドラッグストア業界は、一般的には小売業界に属すると考えられています。このため、例えばスーパーマーケット、コンビニエンスストアなどが隣接業界と考えられます。
ところが、ドラッグストアは小売業であると同時に、「薬局業界」にも属しています。そういう視点で見た場合、隣接業界は調剤薬局チェーン業界や医薬品卸業界などになります。
業界研究を進めるとき、これらの隣接業界との関係に注目することで、ドラッグストア業界がどのようなポジションにあるのかということの理解が深められるでしょう。
逆に、「ドラッグストア業界」単体だけを研究したり「小売業界の一分野としてのドラッグ業界」という位置付けに絞って研究したりすると、視野が狭くなってしまい、ドラッグストア業界を正しく理解することができません。
これでは、研究自体が非常に底の浅い表面的なものになってしまうおそれがあります。
理由その2 志望する業界の「潜在的な脅威」が見えてくる
2つ目の理由は、隣接業界を研究することで、あなたが志望する業界の「潜在的な脅威」や問題点が見えてくるというところにあります。
すでにご説明したとおり、業界というものは隣接業界からの影響を大きく受けます。
先ほどのドラッグストア業界の例でいえば、近年調剤薬局チェーン業界と薬剤師の奪い合いが激化していることや、調剤薬局チェーンが健康食品・ヘルスケア用品などに扱い品目を広げたため、競合の度合いが激しくなっているといった影響が挙げられます。
こうした「直接競合の関係にある隣接業界」については、ドラッグストア業界単体を研究していても、ある程度自然に情報が入ってくるでしょう。
ところが「目下のところ直接競合関係にない業界からの潜在的な脅威」というものは、隣接業界を調べないと見えてこないのです。
例えば、医薬品卸業界は調剤薬局や病院などに対して医薬品を卸売りしている業界です。ドラッグストアの隣接業界ではありますが、これまで直接競合となることはあまりありませんでした。
医薬品卸業界が扱うのは原則として医療用医薬品ですから、一般用医薬品をメインに扱うドラッグストア業界は、医薬品卸業界に変化があっても、受ける影響は限定的だろうと考えられてきたのです。
ところが、医薬品卸業界の再編が進むにつれ、ドラッグストア業界は今後大きな影響を受けるかもしれないと考えられるようになってきました。その理由は次のとおりです。
医薬品卸業界の再編が進み、M&Aによって中小の医薬品卸は次々に大手に統合されていきました。その結果、市場は大手卸数社による寡占状態になってきています。
大資本となった医薬品卸は今、調剤薬局への進出を急いでいます。具体的には中小の調剤薬局チェーンを傘下に収めたり、大手調剤薬局チェーンに資本参加したりしているのです。
次のターゲットとなるのは、当然ドラッグストア業界だろうと考えられます。
- 巨大資本と全国流通網を持つ医薬品卸が調剤薬局チェーンに進出することで、新業態を開発できるのではないか?
- 新業態の開発には、どんな可能性がありえるのか?
- 新業態に対抗するために、ドラッグストア業界はどんな強みに磨きをかけるべきか?
といったように、あなたの業界研究は一気に深みを増し、強い説得力を持つ実践的なものになるでしょう。
業界研究は知識の詰め込みではない
今回はちょっとハードな内容になりました。
ドラッグストア業界を例に取ったので、「小売業は自分が志望する業界とは関係ない」などと他人事のように感じた人もいるかもしれませんね。
しかし、ここで挙げたドラッグストア業界は、あくまでも説明のためのひとつの例に過ぎません。
ほかの例として、下図をご参照ください。金融業界・広告業界・不動産業界を例に、隣接業界について簡単に説明します。
このように、あらゆる業界に対して関連性の深い隣接業界が存在しているのです。
- 業界名
- 金融業界
- 概要
-
- 銀行(都市銀行、地方銀行、信託銀行ほか)
- 中小企業向け金融機関(信用金庫、信用組合ほか)
- 農業関係金融機関(信用農業協同組合、農林中金ほか)
- リース
- ノンバンク(クレジットカード、信販、消費者金融を含む)
- 生命保険
- 損害保険
- 証券
- 信用保証
- 金融商品取引
- 商品先物取引
- 政府系金融機関
などが広義の「金融業界」。ただし、場合によってこれらを細分化してそれぞれ独立した業界とみなすことがあり、そのほかを「競合」あるいは「隣接業界」とみなすこともある。
- 隣接業界
- ターゲットとする業種や金融の目的(資金調達・個人融資・事業融資・投資・資産運用・資産管理・決済など)の違いにより、例えば下記のような業界を隣接業界とみなすべき場合がある。
- 投資ファンド
- 買収ファンド
- ヘッジファンド
- アセットマネジメント
- 監査法人
- 不動産
- 電子決済
- 金融業界に参入する小売業
など
- 業界名
- 広告業界
- 概要
- 原則として、広告業界は
- 広告代理店
- 広告制作会社
の2つに大別される。ただし、インターネット広告やWebマーケティングに特化したデジタルエージェンシーなど特定のメディアに密着した業態の企業も多く、屋外広告制作会社(デジタルサイネージを含む)、テレビCM制作会社など、同業界内であっても業態は多岐にわたる。
また、「コピーライティング専門」「セールスプロモーション専門」といった、広告業の一部に特化した企業も多く見られる。
さらに、顧客(クライアント)の業種によって専門性を持つ広告会社(例えば製造業、医薬品製造業など)もあり、ターゲット企業の性格によって世の中のあらゆる業界が隣接業界となりうる可能性がある。 - 隣接業界
- メディア全般
- 新聞社
- 放送局
- 出版社
- デジタルメディア
- 公共交通機関
- 集客施設
など
そのほか、
- 事業会社の広報
- イベント運営
なども隣接業界と考えられる。
- 業界名
- 不動産業界
- 概要
-
- デベロッパー
- ゼネコン
- 売買仲介
- 賃貸仲介
- プロパティマネジメント/管理
などが不動産業界のおもな業種だが、非常に近しい隣接業界として土木建設業界があり、1社がそれらにまたがっているケースも多いため明確な区分が難しい。
また、不動産業界と建設業界と土木業界は、競合というより協働・協力関係である場合が多く見られる。 - 隣接業界
- 土木建設業界
- 住宅メーカー
- 建築資材
- 工務店
- とび・土工工事
- 施設工事
- 道路舗装
- 消防施設
- 造園
- 清掃施設
- 電気設備
など
そのほか、ターゲット企業の業種によっては、
- 家賃保証
- 住宅金融
- 不動産情報メディア
などを隣接業界とする場合も考えられる。
業界名 | 概要 | 隣接業界 |
---|---|---|
金融業界 |
などが広義の「金融業界」。ただし、場合によってこれらを細分化してそれぞれ独立した業界とみなすことがあり、そのほかを「競合」あるいは「隣接業界」とみなすこともある。 |
ターゲットとする業種や金融の目的(資金調達・個人融資・事業融資・投資・資産運用・資産管理・決済など)の違いにより、例えば下記のような業界を隣接業界とみなすべき場合がある。
など |
広告業界 | 原則として、広告業界は
の2つに大別される。ただし、インターネット広告やWebマーケティングに特化したデジタルエージェンシーなど特定のメディアに密着した業態の企業も多く、屋外広告制作会社(デジタルサイネージを含む)、テレビCM制作会社など、同業界内であっても業態は多岐にわたる。 |
メディア全般
など そのほか、
なども隣接業界と考えられる。 |
不動産業界 |
などが不動産業界のおもな業種だが、非常に近しい隣接業界として土木建設業界があり、1社がそれらにまたがっているケースも多いため明確な区分が難しい。 |
土木建設業界
など そのほか、ターゲット企業の業種によっては、
などを隣接業界とする場合も考えられる。 |
「自分が志望する業界の隣接業界にはどんなものがあり、どんな影響があるのかな?」というように、みずから問題意識をもって業界研究を進めていくことで、本当に自分が進みたい業界も見えてきますし、面接の対応にも自信と説得力が生まれます。
「業界研究とは業界情報を頭に詰め込むこと」と思っている人もいるかもしれませんが、それでは生きた業界研究にはなりません。つまり「就活の役には立たない」ということです。
就活に費やせる時間には限りがあります。できるだけ効率的・効果的に「生きた業界研究」を進めましょう!
綜合キャリアグループのコトとヒト、もっと知ってほしい!
企業研究をしているあなたにぜひ読んでいただきたい、綜合キャリアグループ社員インタビュー集です。 様々な職種から仲間の声を集めました!
この記事を書いた人
人財開発部 新卒採用チーム
綜合キャリアグループの人事部。採用と教育を担う部門。選考情報や就活情報を本音で提供します!!

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