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採用コラム

2017.01.17

【地方創生事業】「地方に良い企業がない」は本当か

【地方創生事業】「地方に良い企業がない」は本当か

どうもこんにちは。オウンドメディア編集部のさいとうです。
地方創生や地方就職についていろいろお話ししていますが、今回は企業研究と地方企業について、就活の参考になりそうなネタをお話しします。

地方に良い会社がない、は本当か

仕事柄、就活生やその親御さんから意見を聞く機会があるのですが、その時とても気になる言葉を耳にします。

就活生「地元に帰って働きたい気もするんですけど、良い会社全然無いんですよ。親もそう言ってるし。」
保護者「地元に戻ってもらいたいとは思うのですが、ほら、この辺田舎だから良い会社無いでしょう。」

就活生も親御さんも口を揃えて言う「地方には良い会社がない」、これって本当でしょうか。地方創生の事業で実際に多くの地方企業に会ってきた感触からすると、むしろ「面白い企業は地方にこそある」というのが実感です。地方の企業は、その地域独特のニーズや産業の特色を背景に背負っていることが多く、地方ならではの持ち味を武器に成長している会社が少なくありません。

一つ実例を見てみましょう。
雑貨や工具などの実用品を買うとき、誰でもお世話になるのが「ホームセンター」ですが、そのホームセンター業界を例にとります。

(出典:業界動向サーチ.com)

これらの企業の出自を見てみましょう。
業界最大手のDCMホールディングスですが、ここは「ダイキ(愛媛)」「カーマ(愛知)」「ホーマック(北海道)」の3企業が合併して成立した経緯があり、各地域の地方ニーズを受けて成長してきた企業です。第2位のニトリはどちらかというと家具業界のような気もしますが、北海道にルーツがある企業として有名です。3位のコメリは新潟県の企業で、農業ニーズに強みがあります。以下4位のコーナンは大阪、5位のナフコも家具業界よりですが福岡発のホームセンター、ケーヨー(D2)は千葉県の木更津、島忠は埼玉県春日部、アークランドサカモト(ムサシ)は新潟県三条市。東京出身の会社は9位のOlympicグループ(東京都国分寺市)までありません。流通業界の一角を担う「ホームセンター」という業態は、地方発で成長したビジネスモデルと言えるでしょう。

地場産業の魅力

こういった事例は、他の業界でも散見されます。例えば、電子デバイスの大手メーカーはほとんど京都府にルーツがあります。同じように金属食器や鍋・フライパンなどの製品は新潟県燕市・三条市に集中しています。
これらの「○○業界は○○地域が強い」という、いわゆる『地場産業』は、それなりの背景があって成り立っています。実際に例を見てみましょう。

電子デバイスメーカーがひしめく京都

(出典:業界動向サーチ.com)

いわゆる電子部品業界を売上高ランキングで見ていきます。この中で京都に起源や本社がある企業をピックアップすると

  • 京セラ
  • 日本電産
  • 村田製作所
  • オムロン
  • ローム

と、トップ10の半数を占めます。他の例としては、ファミコンなどを手がけた任天堂も一時期は電子デバイスメーカーとしての側面を持っていました。

こういった世界的なトップ企業が京都から育った理由としては、いろいろなものが上げられます。
「京都大学の研究者が輩出されるから」
「伝統産業に根ざしたものづくりの歴史があるから」
「進取の気質に飛んだベンチャー精神が根付いているから」
「新しい事業に投資する金融の仕組みが発達していたから」

おそらく、どれか一つが理由と言うよりも、その全てが噛み合い、さらに気候風土や地理的な特性、あるいは技術の発達といった時代背景も、この地域産業成立を支えてきたと考えるべきでしょう。そう考えると、大手企業に就職するという選択肢ももちろんありますが、「これから伸びる【京都のものづくり企業】を探す」という就職の選択軸も面白く見えてくるのではないでしょうか。

キッチン業界の雄・新潟県燕市・三条市

同じような例として、金属加工技術を背景にしたものづくりの町である、新潟県燕市・三条市も見てみましょう。
ひとまず分かりやすい写真を見てみます。
下の写真は、ある日新宿の某百貨店で撮影したものです。

金属洋食器(いわゆるカトラリー)の棚ですが、この中でどれくらいが燕市・三条市産かというと……

矢印を付けた商品は全部燕三条産でした。

もう一カ所。こんどは調理器具の棚です。

ここも占有率を見てみると……

圧倒的な占有率。実際に店頭で見てもらうと分かりますが、キッチン用品の製造元や流通元会社はかなりの率で燕三条の企業です。

なぜこれほど燕三条の企業がキッチン用品で強いのか、という話を掻い摘まんでしましょう。

  • 江戸時代、燕三条地域は水害に弱い地域で度々領民が困窮した。現金収入を得られるように代官が江戸向けの和釘生産技術を導入して奨励したため金物生産が盛んになった。
  • 会津や江戸、日本海経由の大阪など販路のアクセスが良く金物行商が各地へ出向いて繁盛した。三条商人が卸問屋として発展。
  • ヤスリ、鉈や包丁、さらに煙管などどんどん高度な技術が他から持ち込まれた。また、近隣の弥彦山から銅が産出し、銅器の加工も盛んになった。
  • 大正期には金属洋食器の文化が広まりカトラリー生産で大きく発展。戦後も世界の洋食器を一手に引き受けるようになる。
  • 食器関連の卸問屋が多くなり、やがて商品企画や樹脂製品の製造販売も手がけるようになる。今では、百貨店やホームセンター、ネット通販などにも対応した品揃えや物流を備える業容となっている。

こういった発展の歴史が、生活用品の1ジャンルを大きく占有する背景になっています。

※もっと詳しい話を知りたい方は「燕市産業史料館」がオススメ。地場産業の歴史を中心に展示している世界でも珍しい博物館です。この写真は企業見学ツアーで学生たちが訪問したときの様子。

実を言うと、燕市三条市には金属加工・生活用品をコアとしたものづくり企業が非常に多く、世界的な技術やブランドを持つ会社が珍しくありません。長くなるので書きませんが、興味を持ったら是非調べてみてください。

地方の面白い企業を見つける『目』

さて、察しのいい方はここまでの話で気づいたのではないでしょうか。
地方には、地方ならではのニーズや技術に基づいた、面白い企業が本当にたくさんあります。「地方だから良い会社がない」は、どちらかというと「良い会社をちゃんと探していない」か、それとも「良い会社を見つける目が育っていない」のではないでしょうか。
会社を見る目は確かに一朝一夕では養えないかも知れませんが、面白い会社に出会う=面白い仕事に出会うには、やはり一社でも多くの企業の話を聞き、出来れば見学をさせてもらう機会を逃さないことではないかと思います。
また、自分の生まれ育った地元にある企業がどんな「沿革」なのか、調べてみるのもかなり役に立つと思います。

綜合キャリアグループでは、地方自治体(市町村)さんと手を組んで、いろんな企業を見学出来る機会を作っていますので、是非活用してみてください。

 

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