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採用コラム

2016.06.26

【地方創生事業】若者が地方に就職しない理由は

【地方創生事業】若者が地方に就職しない理由は

前回の記事(綜合キャリアグループが考える『地方創生』)では、弊社グループが取り組んでいる「地方創生」の具体的な事例を紹介しましたが、今回からは「地方創生」や「若者の地方環流」を取り巻く状況やキーワードなどを解説していきたいと思います。
弊社を志望している学生には、「地方創生や地方の人材難に対して何か出来ることをしたい」という動機を持っている人が多いと聞いています。「地方創生」はバズワードではありますが、今後10年以上は重要な社会的テーマの一つとなることは間違いありません。弊社や人材業界、あるいは広くBtoBマーケットに携わる人には、是非知っておいていただきたい知識です。
(記事の内容は行政の開示情報やニュース記事など公知の情報に基づいて作成しています)

1.若者はどのくらい地方に帰っているのか

人口減少の要因として多くの自治体で課題と考えているのが、若者の回帰率低下です。
ある地方では、高校卒業と同時に約7割が大都市圏へ転出し、就職時に地元へ回帰する若者は約4割。そしてその比率は年々低下しています。この比率は大都市圏との距離や通勤圏の広がりによって変わってきますが、概ねこのくらいの比率の自治体が多いようです。

データ1 人口社会増減の例。

若者、特に女性の回帰率が課題。
出展:長野県長野市「人口ビジョン」2016年2月

グラフを見てもらうとわかりやすいのですが、18~20歳頃に若者が大都市圏、特に首都圏へと大勢転出し、20代前半から半ばに大きく回帰、その後30代にかけて緩やかに地元へと人材が帰ってきます。
地方へ回帰する際のライフサイクルとしては以下の様なものがあります。
○地方就職:20代前半
大学等卒業時に地方企業へ就職。
○転職Uターン:20代後半~30代
首都圏企業で3~10年キャリアを積んで地方企業へ転職
○地方移住:30代後半~50代
親の介護や子育てなどの生活の事情で地方へ移住。
○老後移住:60代以降
セカンドライフとして地方生活を選択。
実際には地方への人口回帰のボリュームゾーンは「地方就職」「転職Uターン」20代~30代である事が分かります。この一番回帰が多い世代で、約3割が地方に戻らない。これを何とかするのが目標となります。

2.若者は地方に就職したくないのか

次に確認したいのは、「若者は地方に就職したくない」というのは本当かどうかです。
よく「地方に魅力が無いから若者は地方で就職したくない」とか「東京の方が楽しいからわざわざ地元に帰らないよね」といった声を聞きます。しかし、実際には地元回帰地方就職の人気は年々高まっています。
データを2つ見てみましょう。

データ2 「就職したい企業・業種ランキング」

まずは就活生に就職希望を聞いたランキングのデータです。企業単位で見た場合には都銀メガバンクや大手有名企業が人気ですが、業種をまとめてみた場合には地方公務員の人気が非常に高いです。

地方公務員が群を抜いて人気が高い。
リスクモンスター「第2回就職したい企業・業種ランキング」2016年4月

 

データ3 地元就職の希望。

こちらは直接的に「地元に帰って就職したいか」を聞いた結果。地域による差はあるが概ね50%以上が地元就職を考えていました。その理由は「両親と生活したい」「地方の方が経済的に安定する」といった地に足がついた回答でした。さらに、将来的に地元への転職Uターンを考えている層も10%程度いました。全体的に前年度、前々年度よりも地元就職の希望が増加しています。

これらの数値を見るに、一概に「若者は地方で就職したくない」とは言えないようです。むしろ、全体の5割以上が地元で就職したいと考えているのに、実際には4割以下しか地元で就職しないのはなぜでしょうか。

大都市圏からの距離で大きく差は出るが、地方中核都市を抱える道府県では概ね50~70%が「出来れば地元で就職したい」
マイナビ「Uターン・地元就職に関する調査」2016年5月

3.若者が地元に帰れない理由

ここでもう一度マイナビのアンケート結果を見てみましょう。

データ4 地元就活の障害

 

データ5 実現すれば地元就職するかもしれないもの

地元の企業に就職しようと思ったときに、学生が一番負担と思っていることは「地元との距離・時間」「地元までの交通費」。要するに、企業の選考に参加するためには地元に帰らなければいけないのが重荷になっています。経済的な負担だけでなく、時間や労力も考えると、学業と並行して就職活動を進めるには、首都圏で合同説明会などを効率よく回った方が負担は少なくなります。
また、地方企業を志望しない人が課題と感じているのは「地元には就職したい企業がない」という点。「都会の方が便利だから」を上回っていて、「東京にいたい」という動機よりも、「地元に戻りたくても戻れない」というハードルの高さが垣間見えます。

また、これらのデータには出ていない面ですが、最近よく言われるようになったのが
○知名度優先の人気企業ランキングの弊害
○親が就活を一緒にすることの弊害
といった理由です。

学生の感覚として、いわゆる「就活」が3年生夏または冬から突然シーズンインする、という感じ方は強いようです。回りが就活を始めるので自分もしないと、という雰囲気が流れ始める3年生冬に、約90%の大学生が就活をスタートするようです。
このタイミングで、自己分析やエントリシート作成、業界研究・企業研究を始めると、ほとんどの学生が「何となく知っている会社」を候補企業に入れます。CMでやっている、製品を持っている、安定していそう、といったイメージで企業を選びます。
また、最近では親も一緒に就活をするようになりました。親も子供の安定などを考えて、自然と有名企業を選ぶようになります。
こういった展開になると、どんなに意欲的でスゴイ技術を持った企業でも、「名前を知らない」というだけで選択肢から外れてしまいます。地元の有力企業でも全国的な知名度はありませんから、よほどブランド力があり消費者に知られている企業でも無い限り、なかなか魅力を知ってもらうところまで行きません。

経済的・時間的な難しさと、知名度優先の一斉就活。
若者が地方で就職するにはこの二つの課題を乗り越える必要があります。

(次回に続く)

 

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